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契約書レビューで最も重要なのは、契約書そのものではなく担当者との関係
契約書レビューというと、契約書を受け取って、条文を一つずつ確認していく仕事だと思われがちです。 もちろん、条文を正確に読むことは重要です。 ただ、企業の法務部門で契約書レビューを経験してきて、私が実際に強く感じていたのは、契約書を読むこと以上に、その契約を担当している人との関係が重要だということでした。 契約書だけを見ても、本当に守るべきものは分からない 例えば、営業担当者から、 「相手方から、この損害賠償条項を入れてほしいと言われています」 と相談されたとします。 条文だけを見れば、 「当社の責任範囲が広すぎるので、修正したほうがいい」 という判断になるかもしれません。 ところが、担当者に詳しく話を聞いてみると、 「この会社とは今後も大きな取引につなげたい。今回は多少譲ってでも契約を成立させたい」 という事情があるかもしれません。 そうなると、法務として考えるべきことも変わってきます。 反対に、 「今回限りの小さな取引で、今後の関係も特に考えていない」 というのであれば、 「そこまで相手の要求を飲む必要がありますか?」 という話になるかもしれま
Yuuki Inoue
読了時間: 4分
なんで法務は「これ、請負ですか?準委任ですか?」と聞いてくるの?
「この契約、請負ですか?それとも準委任ですか?」 企業の法務部に契約書を確認してもらったことがある方なら、こんな質問をされたことがあるかもしれません。 「どっちでもいいじゃないか。業務をお願いする契約なんだから」 そう思ったことがある方もいるでしょう。 実際、契約が何の問題もなく進み、予定どおり仕事が終わり、報酬も支払われているのであれば、請負なのか準委任なのかが問題になることはないかもしれません。 では、なぜ法務はわざわざ確認するのでしょうか。 実は、法務が確認したいのは、契約書の名前そのものではありません。 その契約によって、 「誰が、何を、どこまで約束するのか」 を確認しているのです。 請負と準委任、なぜ区別するの? 請負と準委任は、どちらも「誰かに仕事をお願いする」という場面で登場する契約です。 そのため、「どっちも仕事をお願いする契約なんだから、似たようなものでしょう」 と思われるかもしれません。 しかし、両者では契約の中心となる考え方が異なります。 大まかにいえば、請負は「仕事を完成させること」を目的とする契約です。...
Yuuki Inoue
読了時間: 7分
「取引実績として会社名・ロゴを公開?」契約書に潜む情報公開のリスク
「取引実績として、御社の会社名を当社のホームページに掲載させていただけませんか?」 取引先から、こんな依頼を受けたことはありませんか? あるいは、契約書の中に 「乙は、甲の名称、商号、ロゴ等を、取引実績として自己のウェブサイト、営業資料その他の媒体に掲載することができる。」 といった条項が入っていることがあります。 「会社名を載せるだけなら、別に問題ないのでは?」 と思うかもしれません。 しかし、取引先の名前やロゴを公開することは、本当に「会社名を載せるだけ」の問題なのでしょうか。 「取引している」という事実そのものが情報になる まず考えたいのが、 「A社とB社が取引している」という事実自体が、公開してよい情報なのか ということです。 例えば、ある会社が特定のシステム開発会社にシステム開発を依頼していたとします。 そのシステム開発会社が、 「○○株式会社様のシステム開発を担当しました!」 ということを知ることができます。 会社によっては、これは特に問題のない情報かもしれません。 一方で、 どの会社と取引しているのか知られたくない 新規事業について
Yuuki Inoue
読了時間: 6分
「その情報、秘密かどうか判断していますか?」NDAを現場で運用するということ
「この情報は秘密情報です」 NDA(秘密保持契約)を締結するとき、多くの場合、「何を秘密情報として扱うのか」というルールを契約書に定めます。 例えば、 「秘密情報とは、開示者が秘密である旨を明示した情報をいう。」 という条項です。 一見すると分かりやすいルールですが、実際の業務では少し考えてみたい問題があります。 その情報が「秘密情報なのかどうか」、誰が、いつ判断するのでしょうか。 「これは秘密情報?」を現場で判断する 例えば、取引先との打合せで、担当者が新しいサービスの企画について説明を受けたとします。 契約書では「秘密情報」として明示された情報が秘密情報になることになっています。 では、その打合せで口頭で説明された内容はどうでしょうか。 担当者は、 「これは秘密情報として扱うべき情報だろう」 と判断しなければならないかもしれません。 別の日には、取引先からメールで資料が送られてきます。 その資料には「CONFIDENTIAL」と書かれていません。 担当者は、 「これは秘密情報なのか?」 と考えることになります。 さらに、営業担当者、技術担当者
Yuuki Inoue
読了時間: 5分
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