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営業部の成果って、契約書に書いてあるんですけど、気になりません?

執筆者の写真: Yuuki Inoue
Yuuki Inoue
8月28日
読了時間: 5分

更新日:8月28日

営業担当者の皆さんは、自分が締結した契約書を読んでいますか?

もちろん、

「契約書くらい読んでいますよ」

という方も多いでしょう。


では、少し質問を変えてみます。

その契約書に、自分がお客様と交渉してきた内容がきちんと反映されているか、確認していますか?

「この条件で合意した」

「ここまでは対応する」

「これは追加料金になる」

「納期はこの日まで」

「修正は2回まで」

営業担当者が、お客様との商談や交渉の中で一つ一つ積み上げてきた条件。

実は、それらの多くは最終的に契約書という形で残ります。

そう考えると、契約書は「法務がチェックする書類」であると同時に、営業担当者自身の仕事の成果が書かれた書類でもあるのではないでしょうか。


営業が頑張って交渉した条件は、契約書に残っていますか?


例えば、営業担当者がお客様と交渉して、

「修正対応は2回まで」

という条件で合意したとします。

営業としては、

「よし、ここまで条件をまとめたぞ」

という成果です。

ところが、契約書を見てみると、

「受託者は、委託者からの修正依頼に対応する。」

としか書かれていなかった。

「2回まで」という条件が、どこにもありません。

これでは、営業担当者がせっかく交渉してきた条件が、契約書に反映されていないことになります。

反対に、営業担当者が想定していなかった内容が契約書に入っていることもあります。

例えば、

「その他、委託者が必要と認める業務について、受託者は対応する。」

というような条項です。

営業担当者としては、

「そんな話、していないんだけど……」

と思うかもしれません。

しかし、契約書に書かれていれば、少なくとも契約上は無視できない問題になります。


「契約書は法務に任せればいい」ではもったいない


もちろん、契約書の法的なチェックは法務の重要な仕事です。

契約書の中にどのような法的リスクがあるのか。

自社にとって不利な条項がないか。

法律上問題となる可能性はないか。

こうした点は、法務が専門的な知識を使って確認する必要があります。

だから、

「営業担当者が契約書を読めるようになれば、法務はいらない」

という話ではありません。

むしろ逆です。

営業と法務では、見ているものが違います。

営業担当者は、「お客様と実際に何を話し、何を約束したのか」

を知っています。

一方、法務は、「その約束を契約書にしたとき、どのような法的意味になるのか」

を見ることができます。

この二つが組み合わさって、初めて契約書を適切に確認できるのだと思います。


営業担当者に法律家になってほしいわけではありません


ここは誤解してほしくないところです。

営業担当者に、

「民法を勉強してください」

「契約法を一から勉強してください」

と言いたいわけではありません。

必要なのは、もっとシンプルなことです。

「自分が担当している取引について、契約書に何が書かれているのかを知っておく」

ということです。


例えば、

  • 自分たちは何を提供することになっているのか

  • 相手は何をしてくれることになっているのか

  • 金額はいくらなのか

  • 支払時期はいつなのか

  • 納期はいつなのか

  • 修正や追加作業はどう扱われるのか

  • 問題が起きたとき、誰がどこまで責任を負うのか

  • 契約期間はいつまでなのか

  • 契約を終了するにはどうすればいいのか

こうした基本的なところを確認するだけでも、契約書の見え方は変わってきます。


「契約書を読む」と、営業の仕事も変わるかもしれない


契約書を読むことは、単にリスクを見つける作業ではありません。

むしろ、

「自分はお客様と何を約束したのか」

を確認する作業でもあります。

商談のときには、

「このくらいならできます」

「ここまでは対応します」

「この条件なら契約できます」

と話していたはずです。

それが契約書になると、法律的な文章に変わります。

その過程で、微妙なズレが生じることがあります。

だからこそ、

「契約書になったら、自分の記憶や営業資料との違いを確認する」

という習慣があってもいいのではないでしょうか。


法務からすると、営業が契約書を読んでくれると助かる

これは、企業法務を経験した立場からも感じることです。

法務が契約書をレビューするとき、

「この取引では、実際に何をする予定ですか?」

という情報がないと、判断できないことがあります。

例えば、

「この契約書では『成果物』と書かれていますが、実際には何を納品するんですか?」

「契約期間は1年間ですが、実際には今回限りの取引ではないんですか?」

「この追加作業について、営業と相手方の間ではどのような話になっていますか?」

といった確認が必要になることがあります。

ここで営業担当者が契約書を読んでいれば、

「この条項、実際の合意と少し違います」

と自分から気付けるかもしれません。

これは法務にとっても非常にありがたいことです。

営業が契約書を読めることは、法務の仕事を奪うのではなく、法務の仕事の質を上げることにつながります。


契約書は「営業の成果物」の一つではないでしょうか


営業の成果というと、

  • 売上

  • 契約件数

  • 新規顧客

  • 粗利

などを思い浮かべることが多いでしょう。

もちろん、それらは重要な成果です。

しかし、契約を締結する営業にとっては、

「お客様と最終的にどのような条件で合意したのか」

も重要な成果です。

そして、その成果が記録されているのが契約書です。

そう考えると、

契約書は法務に渡して終わり、という書類ではありません。

営業担当者自身が、

「自分が取ってきた条件が、ちゃんとここに書かれている」

と確認するための書類でもあるのではないでしょうか。


契約書を読むことは、自分の営業成果を守ること


契約書を読むべき理由は、難しい法律知識を身につけるためだけではありません。

むしろ、

自分が顧客との間で積み上げてきた交渉の成果を、契約書の中でも確認するためです。

「この条件で合意した」

「ここまではやる」

「これはやらない」

「追加料金が発生するのはここから」

そうした一つ一つの合意が、契約書にきちんと反映されているか。

一度、営業担当者自身の目で確認してみてはいかがでしょうか。

契約書は、法務だけが読むものではありません。

そこには、営業担当者が顧客と積み上げてきた仕事の成果も書かれているのですから。



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